日本映画制作適正化機構の設立
2023年3月29日、一般社団法人日本映画製作者連盟、協同組合日本映画製作者協会、協同組合日本映画監督協会等の日本映像職能連合の合意により、映画制作における労働環境の改善を目的とする「日本映画制作適正化認定制度に関する協約」が成立し、一般社団法人日本映画制作適正化機構が設立されました。映画監督の諏訪敦彦氏、是枝裕和氏が共同代表を務めるということです。映画制作(テレビ番組制作も同じですが)現場においては、スタッフが、収入、労働時間、契約関係、安全管理等(以下、「待遇等」といいます)において様々な不安を有していることは長年指摘されておりました。そこで、そのような待遇等が一定のレベルを超えて制作された映画作品には、「映適」マークを認定することで、こうした待遇等改善を図ろうとするのが日本映画制作適正化機構の設立目的の1つです。
そして、日本映画制作適正化機構では、「映像制作の持続的な発展に向けた取引ガイドライン」が公表されており、適正取引に向けたルールとして、(1)映画製作者(製作委員会)-制作会社間の取引(①契約書、②予算)、(2)制作会社-フリーランス間の取引(③契約書・発注書)、(3)映画制作現場のルール(④作業・撮影時間、⑤休日、⑥休憩・食事、⑦スケジュール、⑧安全管理、⑨ハラスメント)が挙げられています。例えば、④作業・撮影時間においては、「すべてのスタッフの作業・撮影時間は 1日あたり13時間(準備・撤収、休憩・食事を含む)以内とする。」という適正化ラインが示されております。通常の労働現場から見れば遥かに過酷な実態を示すものではありますが、それでも、「適正化」ラインが示されることは映像制作現場の待遇等改善に向けた一歩と言えると思います。また、そのような待遇等改善の観点を取り入れた映像制作委託契約書や発注書のひな形も提示されており、制作会社、フリーランスの方にとっては大きな参考になると思われます。近年、「フリーランスとして安心して働ける環境を整備するためのガイドライン」(2021年3月26日、内閣官房、公正取引委員会、中小企業庁、厚生労働省)、「文化芸術分野の適正な契約関係構築に向けたガイドライン」(2022年7月27日、文化庁)といった制作現場の方々の待遇等改善を意図したガイドラインが国からも出されています。コンテンツ制作現場の待遇等改善は、結果的にエンタメ業界の活況につながることが期待されますので、今回の日本映画制作適正化機構の設立が大きな一助となって欲しいものです。
そして、日本映画制作適正化機構では、「映像制作の持続的な発展に向けた取引ガイドライン」が公表されており、適正取引に向けたルールとして、(1)映画製作者(製作委員会)-制作会社間の取引(①契約書、②予算)、(2)制作会社-フリーランス間の取引(③契約書・発注書)、(3)映画制作現場のルール(④作業・撮影時間、⑤休日、⑥休憩・食事、⑦スケジュール、⑧安全管理、⑨ハラスメント)が挙げられています。例えば、④作業・撮影時間においては、「すべてのスタッフの作業・撮影時間は 1日あたり13時間(準備・撤収、休憩・食事を含む)以内とする。」という適正化ラインが示されております。通常の労働現場から見れば遥かに過酷な実態を示すものではありますが、それでも、「適正化」ラインが示されることは映像制作現場の待遇等改善に向けた一歩と言えると思います。また、そのような待遇等改善の観点を取り入れた映像制作委託契約書や発注書のひな形も提示されており、制作会社、フリーランスの方にとっては大きな参考になると思われます。近年、「フリーランスとして安心して働ける環境を整備するためのガイドライン」(2021年3月26日、内閣官房、公正取引委員会、中小企業庁、厚生労働省)、「文化芸術分野の適正な契約関係構築に向けたガイドライン」(2022年7月27日、文化庁)といった制作現場の方々の待遇等改善を意図したガイドラインが国からも出されています。コンテンツ制作現場の待遇等改善は、結果的にエンタメ業界の活況につながることが期待されますので、今回の日本映画制作適正化機構の設立が大きな一助となって欲しいものです。