ポイントはクリエイターの環境改善か?
令和6年9月9日、内閣官房の下において、内閣総理大臣が出席する中で、第1回コンテンツ産業官民協議会・第1回映画戦略企画委員会が開かれました。まず、コンテンツ産業官民協議会は、コンテンツ産業活性化戦略の推進に当たり、クリエイター・コンテンツ産業に関わる政府の司令塔機能を明確化、体制強化するものとして位置づけられています。そして、映画戦略企画委員会は、同協議会の下で、映画関連のクリエイターが安心して持続的に働ける環境の整備とともに、映画産業の強化に向けた具体的な方策の企画立案を行い、同じくPDCAサイクルを回していくというものとして位置づけられています。
従前、クールジャパン機構の設立等の動きがありましたが、国家として、コンテンツビジネスにテコ入れをする統一的な動きがようやく出てきたように感じます。協議会形式で進むのか、基金設立も伴っていくのか、指揮系統や財政に関してはまだまだ不透明ではありますが、官民一体となってコンテンツビジネス推進の方向性には一致をみたように思います。お隣の韓国が韓国コンテンツ振興院のように国家を挙げてコンテンツビジネスを推進していることに触発されていることは言うまでもなりませんが、もはや世界の経済大国から衰退しつつあるわが国にとって、コンテンツビジネスの世界への発信は喫緊の課題であると言えます。
そして、上記協議会・委員会の中で注目されることは、クリエイターの環境に焦点が当てられていることです。「コンテンツの制作現場では、労働環境や賃金の支払といった側面で、クリエイターが安心して働ける環境が未整備という課題」という趣旨は首相官邸HPでも明示されており、委員になっている著名な映画監督・プロデューサー(庵野秀明氏、是枝裕和氏、山崎貴氏)等もそのことを表明しています。
コンテンツビジネスの世界への発信のためには、映画・動画における製作委員会方式のままで良いのか、コンテンツにかかる著作権処理の統一的システムの構築が出来ないのか等の課題が山積していますが、メディア業界で働く人々の環境改善が最大テーマであることが明らかになったと思います。本コラムでも度々取り上げていますが、過重労働、低賃金・低報酬、ハラスメント等については、メディア業界はまだまだ問題が山積しています。この改善こそが経済的観点からも重要だと国家が表明している今日、メディア業界に関わる会社や組織がそのことを本腰で進めていく必要があります。その態勢づくりについては、法的観点も重要であり、メディア業界に関わる弁護士として積極的に取り組んでいきたいと思っています。
従前、クールジャパン機構の設立等の動きがありましたが、国家として、コンテンツビジネスにテコ入れをする統一的な動きがようやく出てきたように感じます。協議会形式で進むのか、基金設立も伴っていくのか、指揮系統や財政に関してはまだまだ不透明ではありますが、官民一体となってコンテンツビジネス推進の方向性には一致をみたように思います。お隣の韓国が韓国コンテンツ振興院のように国家を挙げてコンテンツビジネスを推進していることに触発されていることは言うまでもなりませんが、もはや世界の経済大国から衰退しつつあるわが国にとって、コンテンツビジネスの世界への発信は喫緊の課題であると言えます。
そして、上記協議会・委員会の中で注目されることは、クリエイターの環境に焦点が当てられていることです。「コンテンツの制作現場では、労働環境や賃金の支払といった側面で、クリエイターが安心して働ける環境が未整備という課題」という趣旨は首相官邸HPでも明示されており、委員になっている著名な映画監督・プロデューサー(庵野秀明氏、是枝裕和氏、山崎貴氏)等もそのことを表明しています。
コンテンツビジネスの世界への発信のためには、映画・動画における製作委員会方式のままで良いのか、コンテンツにかかる著作権処理の統一的システムの構築が出来ないのか等の課題が山積していますが、メディア業界で働く人々の環境改善が最大テーマであることが明らかになったと思います。本コラムでも度々取り上げていますが、過重労働、低賃金・低報酬、ハラスメント等については、メディア業界はまだまだ問題が山積しています。この改善こそが経済的観点からも重要だと国家が表明している今日、メディア業界に関わる会社や組織がそのことを本腰で進めていく必要があります。その態勢づくりについては、法的観点も重要であり、メディア業界に関わる弁護士として積極的に取り組んでいきたいと思っています。