フリーランス保護法施行、公正取引委員会からの勧告・・・ クリエイターの環境改善の本格化か?
2024年10月29日付本コラムで「ポイントはクリエイターの環境改善か?」と題して、メディア業界で働く人々の環境改善が今後最大のテーマになっていくのではないかということを取り上げましたが、公正取引委員会からの勧告という観点からも最近、そのような動きが見られました。
まず、VTuberの動画制作にあたり、下請業者に無償でのやり直しを約240回させていたことが、下請法違反(下請法第4条2項4号に定める不当な給付内容の変更及び不当なやり直しの禁止)に該当するとして、公正取引委員会は2024年10月25日、下請法第7条3項の規定に基づき、カバー株式会社に勧告を出しました。また、雑誌制作に携わるライターやカメラマンに支払う原稿料等を一方的に値下げしたことが、下請法違反(下請法第4条第1項第5号に定める買いたたきの禁止)に該当するとして、公正取引委員会は2024年11月12日、下請法第7条第2項の規定に基づき、株式会社KADOKAWA及び株式会社KADOKAWA LifeDesignに勧告を出しました。
いずれも、2024年11月1日から施行された特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(以下、「フリーランス保護法」といいます)の観点からも問題のある行為でしたが、フリーランス保護法の施行前であったことから下請法のみが適用されました。
クリエイターは雇用関係にない場合、受注者の立場になることが多く、発注者から不当な対応をされることもあります。そのような不当な対応をされた場合、下請法、フリーランス保護法に基づいて、公正取引員会が勧告をするようになってきたことはクリエイターの環境改善につながっていくと期待されます。また、発注者側であるメディア関係企業も下請法、フリーランス保護法の規制を把握した対応をしていくことがますます求められるようになります。
そして、2024年12月26日、公正取引委員会は、「音楽・放送番組等の分野の実演家と芸能事務所との取引等に関する実態調査報告書」 (クリエイター支援のための取引適正化に向けた実態調査)を公表し、独占禁止法に定める「優越的地位の乱用」や「取引妨害」の観点から芸能プロダクションと芸能人等の関係に関する違法行為に関する見解を示しました。この流れもクリエイターの環境改善の一環であると考えられます。上記報告書の検討は、また、本コラムでも取り上げる予定です。
音楽・放送番組等の分野の実演家と芸能事務所との取引等に関する実態調査報告書
まず、VTuberの動画制作にあたり、下請業者に無償でのやり直しを約240回させていたことが、下請法違反(下請法第4条2項4号に定める不当な給付内容の変更及び不当なやり直しの禁止)に該当するとして、公正取引委員会は2024年10月25日、下請法第7条3項の規定に基づき、カバー株式会社に勧告を出しました。また、雑誌制作に携わるライターやカメラマンに支払う原稿料等を一方的に値下げしたことが、下請法違反(下請法第4条第1項第5号に定める買いたたきの禁止)に該当するとして、公正取引委員会は2024年11月12日、下請法第7条第2項の規定に基づき、株式会社KADOKAWA及び株式会社KADOKAWA LifeDesignに勧告を出しました。
いずれも、2024年11月1日から施行された特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(以下、「フリーランス保護法」といいます)の観点からも問題のある行為でしたが、フリーランス保護法の施行前であったことから下請法のみが適用されました。
クリエイターは雇用関係にない場合、受注者の立場になることが多く、発注者から不当な対応をされることもあります。そのような不当な対応をされた場合、下請法、フリーランス保護法に基づいて、公正取引員会が勧告をするようになってきたことはクリエイターの環境改善につながっていくと期待されます。また、発注者側であるメディア関係企業も下請法、フリーランス保護法の規制を把握した対応をしていくことがますます求められるようになります。
そして、2024年12月26日、公正取引委員会は、「音楽・放送番組等の分野の実演家と芸能事務所との取引等に関する実態調査報告書」 (クリエイター支援のための取引適正化に向けた実態調査)を公表し、独占禁止法に定める「優越的地位の乱用」や「取引妨害」の観点から芸能プロダクションと芸能人等の関係に関する違法行為に関する見解を示しました。この流れもクリエイターの環境改善の一環であると考えられます。上記報告書の検討は、また、本コラムでも取り上げる予定です。
音楽・放送番組等の分野の実演家と芸能事務所との取引等に関する実態調査報告書